2008年07月24日

隣接面カリエス

久しぶりのアップです。

以下は、診療室でのよくある会話です。

「お久しぶりです。今日は、歯石が気になって来ました。」

「こんにちは田中さん。一年ぶりくらいですね。どれどれ、ではお口を拝見、、、
そうですねえ、歯石がだいぶ付いてきましたねえ。3〜4ヶ月に一度は歯石を取りにこられた方がいいですね。
あれ、この歯、虫歯になっちゃいましたね。」

「え〜〜!虫歯ですか!穴が空いてるんですか?」

「歯と歯の間から虫歯になってますね。ちょっと鏡を見ていてね。ほら、ここのところ、、、歯の色がかわっているでしょ?
中の虫歯が、透けて見えるんですよ。穴は歯と歯の間にあるから見えないけどね。」

「そういえば、、ちょっと黒ずんでいるような、、、全然気がつきませんでした。ショック、、、」

こんな会話をされた方は、結構多いのではないでしょうか。

これは「隣接面齲蝕」(りんせつめんうしょく)と呼ばれる虫歯です。

歯と歯の間の接触点から発生する虫歯です。

全然見えないところから発生するので、初期に自分で発見することはまれです。

歯科医師でも、レントゲンをみて、はじめて分かることも多いのです。

隣接面カリエス

これが断面図です。

隣接面カリエス



歯冠部(歯ぐきの上の見えている部分)は固いエナメル質で覆われていますから、虫歯菌も穴をあけるのは大変です。

歯の表面に、少々穴をあけても、歯磨きをされて、唾液の力で修復されてしまいますからね。

そこで歯ブラシでは届かない歯と歯の間が、虫歯菌にとっては絶好の狙いめとなります。

ここなら、フロス(糸ようじ)でも使われない限り、大丈夫です。

まず小さい穴を開けます。そこから穴を横には広げず、深く深く歯の中心に向かって掘っていきます。

約1ミリくらいの厚みのエナメル質を掘り終わると、次にあるのはエナメル質より遥かに柔らかい象牙質です。

ここまでくれば、しめたもの。歯の中で大きく広がり始めます。

まさしく「一点突破、全面展開」です。

上のレントゲン写真で何所に虫歯があるのか、分かりますか?

大人になってからの虫歯は、その多くがこの隣接面におこります。

次回、もう少し詳しくお話ししましょう。

向田歯科医院 むこうだ歯科 熊本 健軍 熊本市東部 

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Posted by タービンタービン at 00:40│Comments(0)虫歯について
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