2008年12月26日

のど飴注意報

「お久しぶりです。今日はどうされましたか。」

「時々、歯がしみることがあるんですよ。」

「あ~そうですか。じゃあ、ちょっと見せてくださいね。あれ~。随分虫歯が増えていますね。

ここにも、、ここにも、、、去年まできれいな歯だったところが、いくつも虫歯になってますね。」

「ショック。歯磨きはちゃんとしてたつもりなんですけど。」

「ん~、、最近飴をしょっちゅうなめたりしていませんか?」

「ああ、喉にいいと思って、のど飴をよくなめています。」

「こんなにたくさんの虫歯が出来た原因は、きっとそれですね。」

診療室でのよくある会話です。

「最近、禁煙して口がさびしいので飴をいつも口に入れてます。」

という、バージョンもありますね。


虫歯は歯磨きだけではなかなか防ぐことは困難です。

砂糖の制限(シュガーコントロール)がとても大事なのです。

飴(砂糖)が口の中に入ると、数分後には口の中が酸性になり歯が溶け始めます。(『唾液、エライ』の記事に書いています)

しかしその後、唾液がお口の中を中性に戻し、溶けた歯を修復するというサイクルを繰り返しています。

このサイクルが正常に機能していれば、虫歯は簡単にはおきないのです。

ところが、飴などが長時間お口の中にあると、歯が溶けている時間も長くなってしまいます。

飴を食べ終わり、やっと唾液がお口の中を中性に戻しても、修復には相当の時間がかかってしまいます。

そして修復がまだ終わらないうちに、繰り返し飴を食べることを繰り返すと、、、お口のあらゆる歯に虫歯が進行します。

のど飴の悪いところは、のど飴がノドのため、健康のためにいいものだと思い込む事で、

「砂糖のかたまり」を長時間お口に入れているという自覚がなくなってしまう事だと思います。

のど飴注意報

上の写真ののど飴は11個入りですから、1個あたり21キロカロリーあります。

一日に何個も摂取してしまうと、結構なカロリーになってしまいますね。


のど飴を使う前に、喉が傷まないような予防を心がけることが大切です。

口呼吸をしないこと、うがいをすること、食事中よく噛むことによって唾液の分泌機能を高めておくこと。

鼻がつまってどうしても口呼吸になってしまうときには、頻繁にうがいをしてください。

ヴイックスののど飴の宣伝では

「うがい薬成分CPC(塩化セチルピリジニウム)が、エヘン虫によるのどの様々なトラブルに効果を発揮します。」

と書かれています。

たしかにCPCは、うがい液によく使われる殺菌剤ですね。

のど飴よりも、イソジンやCPCうがい液で頻繁にうがいをした方が、インフルエンザの予防にも効果的だと思います。

のど飴をどうしても手放せないという方は、何らかの原因があるのかもしれません。

いつも飴を食べていないと、喉がカラカラになるとか痛いとかいう方は、口呼吸が習慣となっていませんか?

また、さまざまな原因(糖尿病、シェーグレン症候群、薬物、年齢、ストレスetc.)から口腔乾燥症(ドライマウス)になる事もあります。

なんとなく健康に良さそうという理由で、ただ美味しいからという理由で、のど飴を習慣にすることは止めた方がいいと思います。

どうしても舐めたければシュガーレスの飴にしてください。さらに飴よりもガムがいいかと思います。

ただシュガーレスの商品がカロリーレスではありませんから注意してください。

たしかに飴はずっと昔から愛されてきたとても魅力的な食品です。

食べちゃだめ!とはいいませんが、シュガーコントロール、カロリーコントロールに気を配り、

賢く付き合ってくださいね。

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Posted by タービンタービン at 12:11│Comments(1)お口の健康メモ
この記事へのコメント
すごいわかりやすく説明してくれてありがとうございます!(`・ω・ ´)。よし今は斜線しかないから飴を食べないでおこっと!^^;
Posted by ポチ at 2013年05月15日 18:01
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