2008年08月30日

歯科のレントゲンは安全ですか?その2



今回も、レントゲン(エックス線)のお話です。

皆さんは「放射能」と「放射線」の違いは、ご存知でしょうか。

放射能とは放射線を出す物質、もしくはその能力のことです。

原潜や原発事故などで、放射能漏れという場合、その物質がある限り放射線を出し続けますから深刻です。

(放射能物質は放射線を出しながら徐々に崩壊します。種類によって崩壊の時間は違います。

ほんの短い時間のものもあれば、数万年かかるものもあります。)

イメージとすれば、線香花火みたいなものでしょうか。

線香花火の本体が「放射能」で、火花が「放射線」となりますね。

歯科医院で使用するエックス線は、電気で一時的に放射線を出す装置ですから、

光と同じように照射が終わると、直ちに消滅してしまいます。

歯科医院のレントゲン室に「放射能(放射能物質)」があるわけではないので、

レントゲン室に入っただけで放射線を浴びることはありません。安心してください。


放射線の生体に対する影響量はSv(シーベルト)という単位で表します。

(mSv(ミリシーベルト)はSvの1000分の1の単位です。1Sv=1000mSvです。)

「放射線被爆で障害を起こす最低限の線量」を「しきい値」と言います。

つまり、しきい値以下であれば障害はおこらないと考えられます。

主な臓器障害のしきい値を以下に挙げます。(単位はmSv(ミリシーベルトです。)

精巣  一時的不妊 150
精巣 永久的不妊 3500
卵巣 不妊 2500~6000
水晶体 白内障 5000
骨髄 造血機能低下 500
胎児 奇形発生 100
精神発達遅滞 120~200

さて、歯科でレントゲン検査は1枚につき0.02〜0.04mSv(ミリシーベルト)と非常に低い線量です。

感受性が高い胎児に対してでも、レントゲンを2500〜5000枚を撮らないとしきい値に達しないことになります。

もちろん短期間でそんなに大量にレントゲンを撮ることはありません。

また放射線で細胞が傷ついても修復機能があるため体内にそのまま蓄積されるわけではありません。

さらに歯科のレントゲン照射部位は腹部から離れており、X線を透さない鉛入りの防御エプロンを着ますから、

胎児への被爆はほぼゼロと考えられ、影響は全くないと言えます。

初期の妊娠に気がつかずに、レントゲンを撮ったとしても心配はいりません。

といっても、妊娠の可能性、妊娠中の方は、診療前に申告してください。

基本的に、当院では妊娠中のレントゲンは出来るだけ控えるようにしています。


しきい値で表される影響は「非確率的影響」または「確定的影響」と言います。

放射線による影響はその他に「確率的影響」とよばれるものがあります。

晩発障害、遺伝的障害と言われるものです。

放射線によってDNAが損傷を受け、ガンになったり子孫に影響を及ぼす障害です。

この「確率的影響」には「しきい値」がないと言われています。

被曝線量の増加に伴って発生頻度が高くなりますが、確率は非常に低いものです。

しかも歯科のレントゲンでは、照射量・照射部位からしても、障害が起こる確率はさらに低いと言えます。

ちなみに、普通に暮らしているだけで、宇宙、土壌などから年間2.4mSvの放射線自然被曝があると言われます。

歯科のレントゲンは、自然被曝の100分の1と非常に低いので、ほとんど問題は無いと言えるでしょう。

なお原爆を受けた人たちの調査などからも、人間では200mSv以下というような低い線量では、

がんによる死亡者が余計に発生したという明確な結果はでていないといわれます。。


結論として、歯科のレントゲンによって、障害が起きるのではないかと心配する必要はないでしょう。

それよりも治療のための必要な情報が得られることのメリットがはるかに大きいのです。


もちろん、不要なレントゲン撮影はすべきではありません。

微量でも「確率的影響」は全くゼロではないと考えたほうが安全であるということです。(確率は非常に低いにしても)

しっかりとした診察の上で、必要と判断したときにのみレントゲンは撮るべきです。

来院された患者さんを、とりあえず検査するためという理由だけで、

安易にレントゲンを撮るといったルーチンワークはするべきではないと考えます。
  
Posted by タービンタービン at 12:23Comments(0)TrackBack(0)レントゲン

2008年08月29日

歯科のレントゲンは安全ですか?



歯医者に行くと、「ではレントゲンを撮りますね」と言われることが多いと思います。

レントゲンを撮られることに不安を持たれている方もいらっしゃるかもしれません。

そこで今回はレントゲンのお話です。

歯科治療においてレントゲンは非常に大切な診断法です。

虫歯の状態、歯の周囲の骨の状態を見るためにもレントゲンは歯科治療には欠かせないものとなっています。

私たち歯科医は、レントゲンを見ないと診断できないことが多いので、

レントゲンを撮ることが当然のような感覚になっていますね。

撮影したレントゲン写真を使い、歯の症状を出来るだけわかりやすく説明するようには気をつけているのですが、

レントゲンそのものの安全性の説明は十分にしているとはいえませんね。

しかし患者さんにとっては、撮影時に放射線を浴びることになるので、心配されるのも当然でしょう。



ご存知のように、レントゲン写真はエックス線を照射して表面からは見えない組織を写すものです。

エックス線は、電波(テレビラジオや携帯電話など)や光(赤外線や可視光線など)と同じ電磁波の一種です。

波長の長い方から、電波・赤外線・可視光線・紫外線・X線・ガンマ線などと呼び分けられています。

波長が短いエックス線は、物質を透過します。

この現象を利用することで、レントゲン写真やX線CTを撮影することができるのです。

しかし一部の紫外線、エックス線、ガンマ線は電離放射線と呼ばれ、障害を起こす可能性があります。

では歯科で撮られるレントゲンは安全なのでしょうか?

結論から言わせていただくと、

歯科で使用されるレントゲンの照射量は非常に少なく、「心配されることはない」のですが、

次回、もう少し具体的な数値をあげながら説明していきます。

  
Posted by タービンタービン at 17:33Comments(0)TrackBack(0)レントゲン

2008年08月12日

セミの羽化観察会

夕方、江津湖でセミの幼虫が地面を這っているところを発見。

さっそく家に持って帰り、セミの羽化観察会の始まりです。

小さい網戸を外して部屋に立てかけ、つかまらせましたが、どうも居心地が悪いみたいで、落ち着きません。

小さい枝につかまらせたら、安心したみたいで、すぐに動かなくなりました。

すると、間もなく背中が割れ始め、羽化が始まりました。



割れ目がどんどん大きくなります。



間もなく、頭が出てきました。



だんだん体の部分も出てきましたが、なんか落っこちてしまいそうで心配です。



家族が交代で、落ちてもいいように手を添えて見守ります。

ついに全身が出てきました。



羽に体液を送り込んで、徐々に羽がのびてきます。

このとき、のびていく羽がぶつからないようにしないと、羽が変形してしまいます。

1時間以上、手を添えていましたが、彼女(メスでした)も頑張って落ちてはきません。



白くてきれいなセミが現れました。



このあと、徐々に体や羽に色がついてきます。



朝には、立派なアブラゼミになっていました。

6年間の地中生活のあとの、最後の2〜3週間を過ごすために、すごい変身をするんですね。

もちろん、朝には逃がしてあげました。



元気でねにっこり
  
Posted by タービンタービン at 01:30Comments(2)TrackBack(0)あまり役に立たないこと

2008年08月09日

夢の車

「僕の夢の車は、パオなんですよ。」

『夕日の彼』が突然言い出しました。

(「夕日が真っすぐ、、」「よか子じゃなかですか」の記事の『彼』です)

「パオですか?あのニッサンマーチがベースだった古い車ですよね。」




「そうです。パオが僕にとっては究極の車です。」

「究極、、ですか。でも、エンジン、シャーシは古いマーチですよ。」

「そうです。だから修理はしやすいし、維持費はかからないでしょ。」

「あ~、なるほど。パオは僕も嫌いじゃないですよ。最近はめったに見かけなくなりましたね。
でも、究極は言いすぎでしょ。宝くじでも当たったらきっと夢の車も変わりますよ。」

「違いますって!宝くじが当たろうと、大金持ちになろうとも、パオが僕にとって究極の車なんですよ。」

「え~!じゃあ、パオと新車のアルファロメオと並べて、好きなほうをただであげるといわれたら?」

「パオを選びます。」

「え〜!じゃあ、BMWのZ4だったらどうです?」

「パオです。」

「じゃあ、ポルシェとだったら?」

「パオです。」

「フェラーリじゃどうですか。」

「パオです。」

「え~!フェラーリは2000万、パオは20万くらいでしょ。それでもパオですか。」

「パオを選んだらいかんとですか。」

「でも、車の性能にしても雲泥の差ですよ~。そんな選択するやつはいないでしょ!」

「僕はパオがいいんです。」

「そんな~、、、」

そのときには、よくわかりませんでしたが、、、、



ひとりになって、よく考えると、

ジブリの映画「千と千尋の神隠し」のシーンを思い出しました。

カオナシからお金をさしだされた千尋は「いらない」と断ります。

そのときカオナシが「へっ?」と驚きますが、、、

あのときの僕はきっとカオナシの顔をしていたのかもしれません。

  
Posted by タービンタービン at 00:28Comments(2)TrackBack(0)あまり役に立たないこと

2008年08月08日

かぶせものが外れて、、その2

かぶせものが外れてしまったとき、の続きです。

ご存知のように、歯の頭の部分にはエナメル質があります。

エナメル質は体の構成部品(?)の中では、最強のもので、

歯を守るヘルメットのような役割だといえます。

家にたとえると、屋根や外壁のようなものですね。

しかし虫歯を治療して、歯にかぶせものや埋めものをするということは、

残念ながら、エナメル質を削り金属などに換える治療です。

と言うことは、かぶせものが外れている状態は、屋根がなくなった家のようなものです。



放って置くと、露出した象牙質では急速に虫歯が進んでしまいます。

神経がある歯は、しみたり痛くなってきます。

神経がない歯(神経を取ってある歯)は、外れても症状がないときが多いのですが、

痛くなくても虫歯はどんどん進みます。

まだ使える歯でも、長く放って置くと抜歯しなくてはならない場合もあります。

さらに、隣の歯が倒れてきたりして、全体のかみ合わせに悪い影響を及ぼすことにもなります。


もし、外れた金属冠などがある場合は、持参されるといいでしょう。

虫歯などの問題がなければ、再装着ができます。

外れた冠を、瞬間接着剤などで自分でつけたりしないでください。

ほとんどの場合、ご自身では元通りには接着できていません。

使えるかぶせものが使えなくなりますし、歯自体がダメになることがあります。

早めに歯医者に行かれることが一番です。  
Posted by タービンタービン at 00:02Comments(0)TrackBack(0)お口の健康メモ

2008年08月07日

かぶせものが外れて、、その1

皆さんも経験があると思いますが、歯に被せていたものが外れてしまったらというお話です。

さていくつかのケースを考えてみましょうね。

まず、食事中に、外れたものを飲み込んじゃった!という場合ひょえー



上の写真くらいの、あまり大きくない場合は、まず大丈夫でしょう。

食事中でしたら、ほぼ間違いなく胃の中です。

数日で出てきます困ったな

ただし、息苦しいとか、喉からヒューヒューと音がするという場合は、気管に入っている可能性もあります。

急いで病院へいきましょう。

歯科医院ではありませんよ。呼吸器科のあるところ、急ぎの場合は救急車で。



上の写真は、ブリッジと呼ばれるものですが、いくつかがつながっていますね。

小さい入れ歯なども同様で、飲み込むのも大変なくらいの大きさですが、、万一飲み込んだら、、

スムーズに出てこない可能性がありますから、内科、胃腸科などで腹部のレントゲンを撮られたがいいでしょう。

できれば、取り出してもらった方がいいですね。

もちろん胃の中にあるうち、出来るだけ早くがいいです。


お年寄り、子供さんなど、かぶせものに限らず、喉にものを詰まらせる場合がありますから、

そういうときの、対処法(ハイムリッヒ法)など、ちゃんと覚えておくことは大事だと思います。

http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/sec24/ch299/ch299d.html

ネットで、調べられます。「ハイムリッヒ法」「応急処置」などで、検索するといくつも出てきます。

ちょっと話は、それますが、

まだちゃんと咀嚼できない小さいお子さんのいる家庭には、ピーナッツなどは家に置かないようにしてください。

ピーナッツなどは、気管に詰まると膨張して、非常に危険な状態になります。



なんか、怖いお話になってしまいましたね。

しかし、普段の生活で、外れた冠などが、気管に入る可能性は非常に低いものです。ご安心を。

ほとんどの場合、外れたかぶせものは、お口から取り出せると思います。

そのような場合のお話は、また次回に。
  
Posted by タービンタービン at 00:57Comments(0)TrackBack(0)お口の健康メモ