歯が溶けちゃう
今回は、健康志向の皆さんにも、ちょっと知っていただきたいお話です。
さて、虫歯がどのような仕組みで起こるのかは、皆さんご存知ですよね。
砂糖がお口の中に入ると、虫歯菌が砂糖を取り込み、強い酸を出します。
その酸によって歯が溶けていく現象ですよね。
つまり、虫歯菌がいなければ虫歯にはならないということです。
砂糖を制限し、プラーク(歯垢)を除去し、虫歯菌を減らすことは大切です。
ところが、虫歯菌に関係なく歯が溶けていくことがあること、ご存知でしょうか?
虫歯菌が出す酸ではなく、飲料や食物そのものの酸によって、歯が解けてしまうのです。
これは「酸蝕症」(さんしょくしょう)と呼ばれます。
(ちなみに虫歯は「齲蝕症」(うしょくしょう)と言います。)
この酸蝕症は、近年急増しているといわれます。
原因となる食物には、皆さんが驚くようなものがあります。
コーラなどの炭酸飲料はもちろんですが、レモンなどのビタミンCが多く含まれる柑橘類、
ビタミンCのサプリメント、黒酢(酢)、リポビタンなどの滋養強壮ドリンク、
白や赤ワイン、柑橘類のジュース類、飲む温泉水などなど。
皆さんが健康のためと思われて飲まれているものでも、
頻繁に摂取すると、歯が溶けてしまうものがあること、気をつけてください。
そのほかに、拒食症、過食症などの摂食障害、逆流性胃腸炎などの人は、
胃酸により酸蝕症になります。
次回、酸蝕症について、もう少し詳しく説明します。
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