2008年05月19日
よか子じゃなかですか
今日も、7年ほど前の昔話です。
また「夕日が真っすぐ、、」の記事の彼のお話です。
彼は、古いマツダのロードスター(オープンカー)を大事に乗っていました。
正月を数日過ぎた頃だったでしょうか。
夕方くらいに遊びにきた彼、
「向田さん、今日は車をぶつけられました。」
「えっ?事故ですか?」
「いやあ、事故じゃなかとです。」
彼の話によると、
「菊陽にふとかパチンコ屋さんがあるじゃなかですか。」
「ああ、ありますねえ」
「友達がそこで遊びおるちゅうもんだけん、冷やかしにいったとですよ。」(彼はパチンコはしません)
「はいはい」
「駐車場の一番端、車が少なかところに駐車して、友達のパチンコをしばらく見とったとです。」
「見とっただけですか?」
「はい、せんだったです。」
「1時間ばっかしして、俺の車のところに歩いていくとですよ。
なんか俺の車の横に、軽自動車が変なか角度で停まっとっとですよ。」
「へ〜」
「近づくと、軽の横に若っか女ん子が泣きながら立とっとですたい。」
「あ〜らら、」
「免許ば取ったばっかしで、バックで駐車しようとして、俺の車に当てとっとですよ。」
「ついとらんだったですね。どやんしなはったですか。」
「女ん子は、ぶつけたもんだけん、あの寒か中ば、泣きながら30分外に出たまま待っとったとですよ。」
「へ〜〜〜、今どき感心ですねえ。」
「でしょ!だけん、『お前は偉か!今日は正月だけん、もう帰ってよかよ』て、言うてやったです。」
「は?名前も訊かんで、帰しなはったですか」
「はい」
「へ〜〜〜、、、、、」
ちなみに彼は決してお金持ちではありません。
その後、数時間歓談した後、
「そろそろ、今日は失礼します。」
「そうですか、そうそう、車を見せてもらいましょ。」
我が家の駐車場に停まっているロードスターを見て、驚きました。
車の側面に、直径60センチ、深さ10センチ程の大きなへこみがあります。
「この傷で、もうよかって、帰しなはったとですか!?」
「はい」
「この修理は相当かかるですよ。」(そんなお金、たぶん彼は持っていません)
「ばってん、よか子じゃなかですか!逃げんで、待っとったとですよ!」
「たしかに、よか子ですが、、、、修理は、、、」
「修理はしばらくせんです。この傷は、よか思い出じゃなかですか!
この傷ば、見る度に、よか思い出になるじゃなかですか。」
そう笑いながら乗り込み、へこんだロードスターは出て行きました。


